米国のGPSに代表される「GNSS(汎地球測位衛星システム)」は、測位衛星からの信号電波を受信し、受信者の位置を特定するシステム(図-1)。
この信号電波の海面や地表面での反射をモニターすることで海面の「粗さ」(海上風速)や「高さ」、土壌水分量等を把握するリモートセンシング手法が「GNSS-R」(図-2)。
- 波によって海面が傾斜していると,反射点でのGNSS信号の反射強度が減る。反射点における反射強度を計測すれば,海面の粗さ(波の立ちかた)が分かる。一般に風速が大きい方が波が立つので,海面の粗さから風速も推定できる。
- GNSS信号は,海面で反射してから受信する方が,直接受信するよりも経路長が長くなる。この長さの差から,海面と受信機の間の距離(高さ)が推定できる
- GNSS信号などのマイクロ波は,水や金属などではよく反射するが,乾燥した土などでは反射が弱い。陸地の反射強度を計測すると,どれだけ水が含まれているかの土壌水分量の推定ができる
測位衛星から送られる信号電波は全世界で常に受信可能であり、GNSS-Rはリアルタイムで広域・汎地球的なデータ提供が可能となる。